東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1080号 決定
〔主文〕申立人が別紙記載の増築をなすことを許可する。
本件借地契約の賃料を本裁判確定の月の翌月から月九、三八九円に変更する。
申立人は相手方に対し金五六万三、〇〇〇円を支払え。
〔理由〕一、申立の要旨
申立人は相手方らから賃借中の東京都墨出区東墨田区東墨田三丁目六〇番宅地1.236.36平方米(三七四坪)のうち620.75平方米(187.78坪)に別紙記載の現存建物一棟を所有しているが、空地部分が広いので、ここに別紙記載のとおり二棟の建物を新築したいと計画しているが、相手方らの承諾が得られないので本件申立に及んだ。附随の処分については、本件借地のうち北側246.87平方米は昭和二六年六月一日、西側373.88平方米は昭和二七年四月一日に借地したもので期間はいずれも二〇年の約定であるが、その借地期間を各二〇年延長し、財産上の給付は3.3平方米あたり五、〇〇〇円程度とし、地代は現在の月額八、四五〇円(3.3平方米あたり四五円)を若干値上げすることはやむを得ないと考える。
二、相手方の意見の要旨
本件借地のうち現在空地になつており昭和四六年六月一日に借地期間が満了する246.87平方米の部分については返地を希望する。その余の部分については借地期間を二〇年延長し更新料として3.3平方米あたり一万八、〇〇〇円を支払われたい。地代は月額3.3平方米あたり五〇円に増額を希望する。
三、鑑定委員会の意見の要旨
本件申立認容にともなう附随の処分として、地代については月額3.3平方米あたり五円増額し五〇円に改訂することが相当である。財産上の給付については、本件においては借地期間を二〇年延長することを前提とし、慣行的更新料に準じて算定すれば、本件借地の更地価格は3.3平方米あたり一二万円借地権価格は八万円と評定されるので借地権価格の五%にあたる七五万一一二〇円(3.3平方米あたり四、〇〇〇円)が相当である。。なお本件借地のうち373.88平方米の部分についての借地契約については増改築を制限する旨の特約がないので、その部分については財産上の給付が不要であるとすれば給付額はその余の土地の面積を基礎として同様の計算により二九万八、七二〇円が相当である。
四、当裁判所の判断
本件増築は土地の通常の利用上相当であり、他にこれを不当とすべき事情はないと認められるのでこれを許可することとする。附随の処分については、本裁判確定の月の翌月から賃料を鑑定委員会の意見のとおり増額し、借地期間は変更せず、財産上の給付額は諸般の事情を考慮し鑑定委員会の意見による本件更地価格の約二、五%にあたる五六万三、〇〇〇円を相当と認める。(白石悦穂)
現存建物および増築の内容
一、現存建物
木造瓦葺平家建居宅54.34平方米(16.44坪)
二、増築の内容
右建物とは別に空地部分に木造二階建アパート二棟(床面積はいづれも建築基準法の許容範囲内)を新築する。